オトメごころ

先日、大手百貨店に買い物に行きました。
日曜日でしたので、混雑していました。

上りのエスカレーターに乗ろうとしたところ、
私の前の前に背の高い人が・・・ん?

その人は、黒髪のミディアムボブ。
白いカットソーは丸い襟にややパフスリーブで、
襟と袖口には紺色のパイピング。
スカートも紺色で、上の部分がタイト、裾が大きめのフリルになっている、ミニスカート。

この人背が高いなぁ・・・っていうか、肩幅広いなぁ・・・
っていうか、生足だけど、太ももの筋肉がやたらたくましいなぁ・・・
と思ったら、彼女が横を向きました。

・・・かわいらしい顔でしたが、おじさんでした。

そして、エスカレーターが上がりはじめた時のことです。
「彼女」は、すっと、手の甲でスカートの後ろ、裾のあたりを押さえたのでした。
しかし、すぐに引っ込めて・・・まるで、大丈夫かしら、私のスカート、
ま、大丈夫ね、よかったわ、みたいな感じです。

たぶん、心はオトメなんでしょうねぇ。
だから、自然とそういう仕草が出たように見えました。
全然いやらしくない、控え目な恥じらい。

別に「彼女」のことを非難しているわけではありません。

よく女子高生が階段やエスカレーターで、ずーっとスカートを押さえていたりしますが、
そういうのを見るたびに、
「そんなに見られるのが嫌なら短パンはくか、そもそもスカート短くしなきゃいいだろうがっ!」と
心の中で思ってしまいます。
しかし、「彼女」に対しては、そういう気持ちが全く起きませんでした。
近くにいた母と娘はコソコソと何か言って笑ってましたけどね。

なぜでしょう?
だって、圧倒的に「彼女」の方が私よりオトメ度が高いんですから、完敗しました、私、なんとなく女に生まれちゃいましたすみませんという気持ちと、
おそらく彼女が生きていく上で直面している、さまざまな苦労を思ってかもしれません。

女だからこうあるべき、男だからこうあるべき、というステレオタイプな考え方にうんざりしているからかもしれません。

よく、お前はまるで男だって言われちゃうもんで。

っていうか、どうでもいいじゃん、そんなこと。

それ以前にまず人間なんですよ、みんな。