アジアの未来形

ちょっと前に、シンガポールに行ってきました。

少なくともアジアではやっぱり日本が一番進んでいるんだろうなぁ、なんている考えが吹っ飛びました。
私はなんと無知だったんだろう、と思いました。
ちゃんと、現地に行ってみないとだめですね。
本やネットだけでは絶対にわからないものがあるということをエラそうに後輩の前で語ったりしていましたが、
かくいう自分がすっかり出不精になっていたことに気づきました。


シンガポール多民族国家で、中国系やらインド系やらマレー系、その他の人々がごっちゃになって生活しています。
どうやら、自分のコミュニティの中ではそれぞれの母国語を話すらしいのですが、オフィシャルには英語、のようです。

ですから、地下鉄の中で中国語でなにやら話しているカップルが、降りるときには「Excuse me」と言って、人をかきわけて行きます。そんな感じ。

多民族国家だからこそ、いろんな常識があって、これはダメでしょ、いちいち言われなくてもわかるでしょ、なんて
ことは通じません。
だから、決まりごとがきっちり書いてあります。
国内へのガム持ち込み禁止、道にごみを捨てたら罰金、地下鉄の中での飲食禁止、などなど、細かいことまで決まっています。

当然、決まり事を徹底するために取り締まりをする警官がたくさんいるはずですが、同時に大切な観光客のみなさんに不快な思いをさせたくはない、ということで、街中監視カメラだらけだそうです。
もともと英国の植民地だったわけですが、本国では廃止になった刑罰というのがまだ残っていて、ムチ打ちの刑や死刑もあるそうです。

街のあちこちで開発が進行形。おびただしいクレーンの数と騒音でしたが、少なくとも観光客が行くようなところは、どこもかしこも綺麗でしたし、現地の人たちは親切でマナーもよかったように思います。

帰国してすぐに、東京駅に行ったらマナーの悪さにイラっとしてしまいました。
大勢で横に並んでおしゃべりしながら歩いたり、道の真ん中で立ち止まったり、日本人は親切で礼儀正しい、なんて、
そんなのは昔の話なんじゃないかと思いました。
帰りの飛行機の中でも、CAの指示を聞いていないのはたいてい日本人でした・・・情けなくなりました。

震災後の節電モードから完全復帰していない日本に帰ってくると、派手なクリスマスイルミネーションで飾られたシンガポールの眩しさがひときわ懐かしかったりしました。

とにかく感じたのは、「もしかして日本はもう一番じゃないんじゃない?」ということです。
日本にもいろんな国の人がいるのが当たり前になっていますが、さらに進むとシンガポールみたいな感じになるのでは?
と思いました。
共通の常識があって、それに基づいて礼儀正しい行動がとれるなんていうことはできなくなるから、事細かに決まりごとを明文化して、厳しく取り締まらなくちゃならない社会にしないとやっていけなくなるんじゃないでしょうか。

そういうことって、これkらアジアの各所でおきるんじゃないでしょうか。
ってことは、シンガポールはアジアの未来形なんじゃないかと思いました。