どこに住めば良いのでしょう

ちょっと前の経済誌をパラパラとめくっていたら(どれだか忘れました)、
「郊外に大きなローンを組んで家を買ってはいけない」という記事がありました。

都心から離れれば離れるほど大きな家に住めます。
専業主婦で一日中家にいる”昭和妻”を幸せにしようとするなら、広い庭付きの家に住むのが幸せでしょう。
車庫もあるでしょうから、車も買えます。
しかし、毎日通勤電車で通う夫はしんどい。となると、確実に座れるあたりの駅の周辺に家を買うことになる。
すなわち、かなり都心から離れた場所になります。

しかし、今の時代、何十年もの間ローンに縛られて、そういうところに家を買うのはとてもリスキーだ。

と、その記事ではいうのです。
なぜか。

人口は減っているので、これからは家の価格が下がっていきます。
となると、将来、買った家の値段は下がり、売りにくくなります。
しかも、夫の将来の給与所得が予測できる時代ではないので、いざ妻が働きに出ようとしても、そういう場所では働ける場所もない。

確か、そんな内容でした。


なるほど。

確かに、専業主婦の妻がいて家の中のことをすべてやり、夫が遠くまで働きに出るというライフスタイルだからこそ成り立つモデルだったのかもしれません。

例えば、年をとっていくと、車の運転もしにくくなります。
となると、公共交通機関に頼ることになりますが、そういう地域では、不便になる一方。
身体を壊しても、病院に行くのもままなりません。
せっかく手に入れた庭の面倒をみるのも大変になり、荒れてしまうかもしれませんね。


私は、子供の頃から、何度も引っ越しをしてきました。
親の転勤に付き合ったり、自分の仕事の都合だったり。
なので、自立してからはずっと賃貸に住んでいます。

しかし、私の親が、転勤生活を終え、余生を過ごそうと買った建売住宅は、都心からかなり離れた場所です。
おそらく早く家を出た父の望郷心から、わざわざ故郷の方向に向かってかなり電車に乗らねばならない場所に家を買ったのです。
でも、そういう時代でした。
自分の家を買うのはみんなの夢でした。

私が親と一緒にその家で過ごした時間は数年間ですが、それでも、その間、不便でなりませんでした。
学校に通うのも、勤務先に通うのも。
通うだけでとても疲れるばかりか、時間も無駄になりました。
私にとっては、勉強もバイトも友達と遊ぶ時にも弊害でしかなく、何もよいことがありませんでした。
人生の時間を毀損している実感がありました。

親の家のあるその地域、購入した頃はぴかぴかの新興住宅街として賑わっていたのですが、帰省するたびに、どんどん廃れています。
子供は自立して家を出ていき、住んでいるのは年配の人たちばかり。
かつて厳しい抽選を勝ち抜いて手に入れたはずの家なのに、近所には、売ろうとしても売れず、さら地の状態にしてもまだ売れない、という区画もあります。


何世代かが同居している家族ならば、そういう場所でも住めるのかもしれません。
しかし、昔流行した、郊外に核家族で大きな家に住む、というのは、その時は良くても、将来のことを考えると決して正解ではなかったんだな、と極めて身近な例から実感しています。


では、これから、どういうところに住めばよいのでしょう・・・ということになりますが、
私の場合、まだしばらくはさすらいの旅が続きそうですので、賃貸ですけどね。

来るべき時に備えて、今から準備していかねばなりません。
・・・貯金をしながら考えよう。